歳を重ねるとともに増える膝のトラブル。特に高齢になると、変形性膝関節症や筋力低下による痛み・負担を感じやすくなります。そんなときに役立つのが「膝サポーター」です。
近年は、ドラッグストアやネット通販(Amazonなど)でも数多くの膝サポーターが販売されており、高齢者でも着脱しやすく、日常動作をサポートしてくれる商品が増えています。
しかし、種類が多すぎて「どれを選べばいいの?」と迷ってしまう方も少なくありません。
ここでは高齢者が膝サポーターを使うメリットについて、まずお伝えしていきます。
膝サポーターの主なメリット
- 膝関節を安定させる
サポーターにより膝周りがしっかり固定され、歩行や階段昇降が安定しやすくなります。ぐらつきが軽減されるため、痛みや転倒リスクも低減します。 - 保温による血行促進
サポーターの着用により膝周辺を保温でき、血流を促進。関節の動きをスムーズにし、冷えによる痛みを和らげる効果が期待できます。 - 長時間の活動をサポート
膝への負荷を軽減することで疲労感が減り、外出や散歩、家事などの日常活動を続けやすくなります。高齢者のQOL(生活の質)向上にもつながります。
高齢者向け膝サポーターの選び方
膝サポーターと一口にいっても、さまざまな種類・形状があり、高齢者向けの選定ポイントはスポーツ用途とは異なる場合があります。以下のポイントを押さえて選びましょう。
着脱のしやすさ
高齢になると手や腕の力が弱くなり、装着に時間がかかることも。
マジックテープ式やフルオープンタイプのサポーターであれば、足を大きく曲げたり引き上げたりしなくても装着可能です。日常でストレスなく使い続けるためにも、簡単に装着できるかをチェックしましょう。
締め付けとサポート力のバランス
高齢者向けのサポーターは、強力すぎる締め付けよりも、適度なサポートと快適さが大切です。きつすぎると血行不良や痛みの原因にもなります。調整ベルトがある場合は、締め具合をこまめに調整できるか確認しましょう。
素材・通気性・保温性
膝周りは汗をかきやすいため、長時間装着する場合は通気性や吸汗性が重要。また、冷え性の方や冬場の使用では保温性が高い製品が重宝します。季節や体質に合わせて、快適に使える素材を選びましょう。
サイズ選びは慎重に
サイズが合わないと、サポーター本来の効果が得られず、不快感にもつながります。製品ページやパッケージに書かれている測定方法(太もも・ふくらはぎの周囲など)を確認し、実際に採寸して選ぶのが基本です。
【厳選】高齢者におすすめの膝サポーター5選
ここからは、Amazonで入手可能な高齢者向け膝サポーターを5つ厳選してご紹介します。
それぞれの商品は、装着の簡単さや日常動作のサポート力を考慮したモデルが多く、膝の痛みに悩む方でも使いやすい設計が特徴です。
今回は各商品について、「特徴」と「メリット」をそれぞれ3つずつ挙げていますので、ぜひ選び方の参考にしてみてください。
バンテリンコーワ サポーター ひざ専用

【特徴】
1.ドラッグストアでも入手しやすい定番ブランド
2.V字型テーピング構造で膝まわりをしっかりサポート
3.薄手・軽量で動きやすい設計
【メリット】
1.着け心地がソフト: 薄めの生地ながら程よい圧迫感で長時間使用もしやすい
2.ズレにくいテーピングライン: 日常の歩行や家事などでズレが少なく安定
3.手頃な価格帯: 続けて使いやすいコスパの良さ
バンテリンは医療分野にも実績を持つ興和株式会社のブランド。幅広いサイズ展開があり、締め付けが強すぎない設計が高齢者にも好評です。Amazonでもレビュー数が多く、信頼度の高いロングセラーサポーターといえるでしょう。
D&M ひざサポーター

【特徴】
1.柔らかい素材と適度な伸縮性で膝への負担を低減
2.膝裏がメッシュ仕様で通気性が高い
3.国内老舗メーカーの長年のノウハウを活かした設計
【メリット】
1.ムレにくい: メッシュ構造で蒸れを軽減し、夏でも快適に着用
2.ズレを防止する編み方: 動きにフィットする立体編みでズレにくい
3.シンプルデザイン: 男女問わず使いやすいベーシックな色合い
D&Mはサポーター・テーピングを専門的に扱う老舗メーカー。高齢者向けラインも充実しており、薄手&メッシュで装着しやすいのが魅力です。締め付け感がきつすぎないタイプを探している方におすすめです。
ピップ (PIP) 膝サポーター

【特徴】
1.ドラッグストアやホームセンターでも見かける大手メーカー品
2.マジックテープや上下ベルトで着脱しやすいタイプを展開
3.膝上・膝下をしっかりホールドする二重サポート設計
【メリット】
1.装着が簡単: ベルトを巻きつけるだけでOKなので腕力が弱い方にも◎
2.痛みや腫れに対応: 程よい圧迫で痛みを軽減しやすい
3.コスパの良い価格設定: 継続的に使いやすく、洗い替え用の複数購入もしやすい
「ピップ」はサポーターやケア用品でおなじみのメーカー。高齢者向け製品を多く取りそろえており、膝サポーターもマジックテープ式やソフトタイプなどラインナップが豊富です。Amazonでの入手も容易なので、まずは試しやすいでしょう。
アルケア (Alcare) ニーケアー・膝サポーター

【特徴】
1.医療現場での使用実績が豊富なメーカーによる安心設計
2.軽度から中度の変形性膝関節症などに対応したモデルを展開
3.膝の形状に沿う独自の立体構造でフィット感を追求
【メリット】
1.医療用のノウハウを活かした機能: リハビリなどで使われる実績から、高齢者にも信頼のサポート力
2.サイドステー入り(製品による): 膝の左右ブレを抑制し、歩行時のぐらつきを減らす
3.安心感のあるホールド力: ややしっかりめの固定感で、日常動作に安定をプラス
アルケアは医療用サポーター・包帯などを取り扱う専門性の高いメーカー。病院や整形外科でも使用される製品が多く、膝に不安を抱える方に心強い選択肢です。
ザムスト (ZAMST) JK-1

【特徴】
1.スポーツ選手も愛用するブランドによる軽度向けモデル
2.膝蓋骨周りを重点的にサポートするパッド付き
3.通気性を考慮した素材でムレを抑制
【メリット】
1.高い安定感: 膝のお皿(膝蓋骨)部分をしっかりホールドし、歩行時の衝撃を軽減
2.軽量で装着感が良い: スポーツ対応だけでなく、高齢者の軽い運動や散歩にも適する
3.膝裏の圧迫を抑える設計: 長時間装着しても不快感が少ない
ザムストはスポーツサポーター市場で著名なブランドですが、高齢の方にも使いやすいモデル。膝に大きな負担をかけずにフィットし、日々の散歩や軽い体操などをしっかり支えてくれます。
膝サポーターを正しく使うポイント
サポーターはただ装着すれば良いというものではありません。膝を保護・安定させるために、以下のポイントを守るようにしましょう。
- サイズを正確に選ぶ
サポーターの効果はサイズ選びで大きく左右されます。商品パッケージやサイトのサイズ表記を必ず確認し、足回りを測定してから購入しましょう。 - 締め付け過ぎに注意
痛みを抑えようと締め付けを強くしすぎると、血行不良や逆効果につながる場合も。長時間使用する場合は、ときどきベルトの調整や外すタイミングをつくりましょう。 - 清潔に保つ
汗をかいたまま長時間放置すると肌トラブルの原因に。こまめに洗濯や干し、清潔な状態を保つことが大切です。 - 適度な運動と併用
サポーターだけに頼るのではなく、無理のない範囲で筋力アップを図ることも重要。簡単なスクワットやストレッチを医師や理学療法士の指導のもと行いましょう。 - 痛みが強い場合は専門医へ
サポーターで痛みが緩和しない、または痛みが増す場合は医師に相談を。自己判断による使用は症状悪化の恐れがあるため注意が必要です。
よくある質問(FAQ)
高齢者でもスポーツ用サポーターを使って大丈夫?
基本的には問題ありませんが、スポーツ用のサポーターは締め付けが強いタイプが多いのも事実です。高齢者向けに作られたソフトタイプや、先ほど紹介したザムストの軽度向けモデルを選ぶと良いでしょう。実店舗で試着できるなら、一度装着感を試すことをおすすめします。
サポーターを着けたまま寝てもいい?
寝るときには外すのが基本です。長時間の圧迫は血行不良や肌トラブルにつながる場合があります。痛みが強いなどの理由で着用したい場合は、医師に相談してからにしましょう。
変形性膝関節症でも使える?
軽度~中度の変形性膝関節症であれば、サポーターにより膝の安定と痛み緩和が期待できます。ただし、症状が重い場合や腫れがひどい場合は医療機関で適切なサポーターを処方してもらったり、装具を検討したほうが安心です。
介護保険は適用される?
一般的な市販品のサポーターには、介護保険は適用されないことが多いです。医療機関での診察やリハビリで処方されるサポーター・装具の場合は、健康保険や各種助成制度が利用できる場合もあるので、主治医に相談してみてください。
まとめ
高齢者の膝痛は日常生活に大きな影響を及ぼすため、早めの対策が肝心です。膝サポーターは、膝関節の安定や痛みの緩和に大きく貢献してくれます。
しかし、数多くの製品があるなかで「自分に合ったもの」を選ぶのは意外と難しいもの。今回ご紹介したように、着脱のしやすさや適度な締め付け感、通気性や保温性などを総合的にチェックし、サイズを正確に測定したうえで選ぶことが重要です。
おすすめの5製品(バンテリン、D&M、ピップ、アルケア、ザムスト)は、Amazonでも口コミや評価が充実しているため、購入前に他の利用者のレビューを参考にするのも良いでしょう。
また、サポーターの効果を最大限に引き出すためには、簡単な筋トレやストレッチなど、適度な運動と併用することがポイント。ぜひ自分の膝の状態に合ったサポーターを取り入れ、痛みの少ない快適な毎日を目指してください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。膝の痛みを抱える高齢者の方にとって、サポーターは心強い味方。正しい知識と製品選びを行い、安全で快適な日常をサポートしていきましょう。
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