高齢者の引っ越し費用相場【2026年】助成金と業者選びで安く抑える

高齢者の引っ越し費用相場助成金と業者選びで安く抑える

高齢者の引っ越し費用は、施設への入居なら15,000〜80,000円、近距離の単身なら40,000〜70,000円が目安です。ただし本当に気をつけたいのは、運ぶ費用より荷物を捨てる費用のほうが高くつくことがある点です。

この記事では、パターン別の相場、予算10万円でできること、助成金の探し方、そして70代でも賃貸を借りるための実務まで、順に説明します。

📋 この記事でわかること

  • 高齢者の引っ越し費用相場(施設入居・近距離・長距離のパターン別)
  • 予算10万円でどこまでできるかの逆算
  • 引っ越し費用より処分費が高くなる「逆転現象」への備え
  • 助成金を自分で探す3ステップ(自治体・国の制度)
  • 70代でも賃貸を借りるための入居審査の突破方法
  • 見積もりで損をしない3つのコツ
  • よくある質問(助成金・家賃が払えないとき・10万円の使い道)
結論:この3つの順番で進めてください

高齢者の引っ越しで失敗しない進め方

  • ①先に荷物を減らす。不用品処分は10,000〜80,000円以上かかることがあり、引っ越し代より高くなる場合があります。荷物が減れば運賃も下がります
  • ②契約前に自治体へ相談する。助成金は「転居先を決める前」が申請の前提になっていることが多く、後からでは間に合いません
  • ③見積もりは2〜3社。訪問なしでも取れます。荷物が少なければ電話だけで見積もりできる業者もあり、親を一人で応対させずに済みます
目次

高齢者の引っ越し費用相場【パターン別・早見表】

◎=優秀 ○=標準 △=やや劣る の3段階で評価しています。ここでは商品ではなく、引っ越しのパターンごとの費用感と注意点を並べました。ご家族がどのケースに当てはまるかで、必要な準備が変わります。

→ 表は横にスクロールできます →

①施設へ入居 👑 相談が最多②近距離・単身 ③近距離・夫婦 ④長距離
費用相場
(通常期)
1.5万〜8万円 4万〜7万円 8万〜13万円 5万〜35万円
荷物の量 ◎ 極端に少ない
衣類・寝具中心
○ 家財一式 △ 多い
家具家電2人分
△ 距離で変動
処分費の
かかり方
△ 家一軒分の
処分が必要
△ 引っ越し代を
超えることも
△ 大型家具が
ネック
△ 運ぶより
捨てた方が安い場合も
訪問なし
見積もり
◎ 荷物が少なく
電話で可の場合も
○ 量による △ 訪問が
基本
△ 訪問が
基本
助成金の
対象になるか
△ 対象外が多い
(施設入居は別枠)
◎ 住み替え助成
の主対象
◎ 住み替え助成
の主対象
○ 転出先の
制度も確認
準備期間
の目安
○ 2〜4週間 ○ 1〜2か月 △ 2〜3か月 △ 2〜3か月
いちばんの
注意点
実家をどうするか
を同時に決める
入居審査に
時間がかかる
2人分の家財を
半分に減らす
移動の負担が
体にこたえる
まず
やること
荷物の選別
→ 見積もり
自治体に相談
→ 物件探し
自治体に相談
→ 荷物の選別
自治体に相談
→ 早めの手配
詳しく 首都圏の業者例 ↓ 首都圏の業者例 ↓ 首都圏の業者例 ↓ 首都圏の業者例 ↓

※費用相場は引越し侍が公表している高齢者向けの料金目安(通常期)を参照しました。単身の長距離は50,000〜200,000円、夫婦の長距離は100,000〜350,000円が目安です。繁忙期(3〜4月)はこれより高くなります。不用品処分は別途10,000〜80,000円以上かかります。

予算10万円でどこまでできる?

「相場は4万〜7万円」と幅で言われても、年金生活では判断しづらいものです。手元の10万円で実際に何が賄えるのかを逆算してみます。

10万円で足りるケース

  • 施設への入居(荷物は衣類・寝具・身の回り品のみ)/運搬1.5万〜8万円。処分が少なければ10万円以内に収まります
  • 近距離の単身引っ越し+最小限の処分/運搬4万〜7万円+処分1万〜3万円。合計5万〜10万円
  • 荷物を大幅に減らしたうえでの近距離/量が減れば運賃も下がり、余裕が出ます

10万円では足りないケース

  • 長年住んだ一戸建てからの引っ越し/処分だけで8万円以上かかることがあり、運賃を足すと20万円前後になります
  • 夫婦2人分の家財を持っての住み替え/運搬8万〜13万円に処分費が加わります
  • 賃貸の初期費用が別途必要な場合/敷金・礼金・仲介手数料で家賃の4〜5か月分。引っ越し代とはまったく別の出費です
  • 繁忙期(3〜4月)の引っ越し/通常期の1.5〜2倍になることがあります

つまり10万円で収まるのは「荷物が少ない」「近距離」「時期を選べる」の3つが揃ったときです。逆に言えば、この3つを意識的に作りにいけば、予算内に収める余地があります。時期については、可能なら3〜4月と土日祝、月末を避けるだけで金額が変わります。

引っ越し費用より処分費が高くなることがあります

ここが、高齢者の引っ越しでもっとも見落とされる点です。近距離の単身引っ越しが40,000〜70,000円なのに対し、不用品の処分は10,000〜80,000円以上。長年住んだ家からの引っ越しでは、運ぶ費用より捨てる費用のほうが高くなることが実際にあります。

理由は単純で、40年・50年住んだ家には、それだけの物が溜まっているからです。特に処分費がかさむのは次のようなものです。

  • 家電リサイクル法の対象品/エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機はリサイクル料金と収集運搬料が別途かかります
  • 大型の家具/和ダンス・食器棚・仏壇などは搬出に人手が要ります
  • 大量の書籍・衣類・食器/量がそのまま費用になります
  • 庭やベランダの物/植木鉢・物置・自転車など、見落とされがちです

対策は順番を変えることです。「引っ越し業者に見積もりを取る前に、まず荷物を減らす」のが鉄則になります。荷物が減れば必要なトラックのサイズが下がり、運賃そのものが安くなるからです。処分と運搬を別々に手配すると二度手間に見えますが、総額では安くなることが多くあります。

片付け業者の費用相場や選び方については、実家の片付け業者の費用相場【2026年】間取り別料金と選び方7か条で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

引っ越し費用を抑える助成金の探し方3ステップ

多くの自治体が、高齢者の住み替えに助成金や補助金を用意しています。ただし制度の名前も金額も自治体ごとにまったく違うため、「高齢者 引っ越し 助成金」で一般論を調べても自分が使える制度にはたどり着けません。手順で探すのが確実です。

①「自治体名+高齢者+住み替え」で検索する

検索窓に「(お住まいの市区町村名) 高齢者 住み替え 助成」と入力してください。「(市区町村名) 高齢者 家賃助成」でも構いません。必ず自治体の公式ページ(URLが .lg.jp などで終わるもの)を開きます。

実際にどんな制度があるのか、イメージが湧くように公表されている例をいくつか挙げます(2026年度時点の一例)。

  • 東京都荒川区/高齢者住み替え家賃等助成事業:家賃上限月4万円、転居費用上限4万円(70歳以上・区内2年以上居住・住民税非課税など)
  • 東京都北区/高齢者世帯住み替え支援助成:通常の転居5万円、立ち退きの場合は上限15万円(65歳以上・区内1年以上居住など)
  • 東京都新宿区/住み替え居住継続支援:家賃差額上限36〜54万円、引越し費用上限15万円(65歳以上・立ち退き理由など)
  • 千葉県浦安市/住み替え費用の助成:上限25万円(65歳以上・非課税世帯・立ち退き理由など)
  • 埼玉県川越市/住替家賃の助成:月額上限3万円(最長10年)+引越し費用上限6万円
  • 福岡県福岡市/高齢者世帯住替え助成事業:初期費用の半額・上限10〜15万円(60歳以上など)

ご覧のとおり、引っ越し費用そのものに数万円〜15万円が出る自治体もあります。お住まいの地域に同種の制度があるかどうかは、調べてみる価値が十分にあります。

②必ず「契約前」に窓口へ相談する

ここが最大の注意点です。多くの制度は「転居先を決める前」「賃貸借契約を結ぶ前」に申請することが条件になっています。物件を決めて契約してから窓口に行っても、対象外と言われてしまいます。

また、募集件数や申込期間に制限がある制度も多く、年度の途中で受付が終了することがあります。制度そのものが廃止される場合もあります。「引っ越しを考え始めた時点で、まず自治体の高齢福祉課・住宅課に電話する」のが正しい順番です。相談は無料です。

③国の制度もあわせて確認する

自治体独自の制度とは別に、国が用意している仕組みもあります。名前だけでも知っておくと、窓口で相談しやすくなります。

  • 住居確保給付金/離職や収入減で家賃の支払いが難しい方に、家賃相当額を一定期間支給する制度。窓口は自立相談支援機関です
  • 住宅セーフティネット制度/高齢者・低所得者などが入居を拒まれない「登録住宅」の仕組み。後述の入居審査の壁を越える手段にもなります
  • マイホーム借り上げ制度/自宅を貸し出して家賃収入を得ながら、別の住まいへ移る選択肢
  • リ・バース60/60歳以上向けの住宅ローン。月々は利息のみを支払う仕組みです

いずれも要件が細かく、ご家庭の状況で使えるかどうかが変わります。制度名をメモして自治体の窓口で聞くのが、いちばん早くて確実です。

70代でも賃貸を借りるには

費用の話ばかりされますが、高齢者の引っ越しで実際に壁になるのは「そもそも部屋を借りられない」ことです。年齢を理由に入居を断られるケースは現実にあり、貸す側は室内での事故や家賃の支払い継続を心配しています。

ただし、打つ手はあります。次の5つを準備しておくと、審査が通る可能性は大きく変わります。

  1. 家賃債務保証会社を使う前提で探す。連帯保証人を立てられなくても、保証会社の審査に通れば契約できる物件が多数あります。保証料は家賃の0.5〜1か月分程度が目安です
  2. 子どもを緊急連絡先にする。保証人になれなくても、緊急時に連絡が取れる家族がいるだけで貸主の安心感がまったく違います。内見や契約にご家族が同席するだけでも印象が変わります
  3. 住宅セーフティネット制度の「登録住宅」を探す。高齢者などの入居を拒まない住宅として登録された物件で、専用の検索サイトから探せます
  4. 居住支援法人・居住支援協議会に相談する。高齢者の住まい探しを支援する団体が各都道府県にあります。自治体の住宅課で紹介してもらえます
  5. 見守りサービスの利用を伝える。安否確認のサービスを使っていることを申込時に伝えると、貸主の懸念を減らせます

また、UR賃貸住宅は保証人不要・礼金なし・更新料なしで、高齢者向けの優遇制度もあります。民間物件で苦戦している場合の選択肢として検討してみてください。

いずれにしても、物件探しには通常より時間がかかる前提で動くことが大切です。立ち退きの期限が決まっている場合は、余裕をもって2〜3か月前から動き始めてください。

見積もりで損をしない3つのコツ

当サイトが引っ越し業者を評価するときに見ている観点を、そのまま公開します。

①2〜3社から取る。ただし訪問は最小限に

相見積もりは基本ですが、高齢の親が一人で在宅しているときに、何社もの営業を家に上げるのは負担が大きく、その場で契約を迫られるリスクもあります。

そこで知っておきたいのが、荷物が少なければ訪問なしで電話やオンラインで見積もりを出せる業者があるということです。施設入居のように荷物が衣類・寝具中心なら、この方法で十分です。ご家族が代わりに電話して見積もりを取ることもできます。

②時期と曜日をずらす

引っ越し料金は需要で大きく動きます。3〜4月の繁忙期、土日祝、月末、大安は高くなります。逆に平日の午後や、業者の都合に合わせる「フリー便」を選べば、同じ荷物でも金額が下がります。

高齢の方の引っ越しは、時期を選べることが多いはずです。急がない引っ越しほど安くできるのは、大きな利点だと考えてください。

③総額と作業範囲を書面で確認する

見積書では次の点を確認してください。エアコンの取り外し・取り付け、洗濯機の設置、不用品の引き取り、荷造りの手伝いはオプション扱いで別料金になっていることが多い項目です。

  • 総額(税込)と、その中に何が含まれているか
  • エアコンの脱着、洗濯機・照明の設置は含まれるか
  • 荷造り・荷解きの手伝いはあるか(シニア向けプランでは含む業者もあります)
  • 不用品の引き取りに対応しているか、その料金はいくらか
  • キャンセル料が発生する時期

本記事の調査方法

費用相場は引越し侍が公表している高齢者向けの料金目安を、自治体の助成金制度はマイ介護ホームが2026年度版としてまとめている公表情報を参照しました。いずれも金額・要件は自治体や時期によって変わるため、必ずご自身の自治体の公式ページと窓口で確認してください。

後半で紹介する事業者については、2026年8月4日に公式サイトを実際に開き、実績・対応エリア・見積もり方法を確認しました。広告文の記載は根拠として採用せず、公式サイトで確認できなかった表現は使用していません。

首都圏で頼める業者の一例

「訪問なしで見積もりが取れる」という条件に当てはまる事業者を1社挙げます。これを推すというより、「こういう条件が公式サイトに書かれている業者を選んでください」という見本としてご覧ください。地元に条件を満たす業者があれば、そちらで構いません。

ハコブ引っ越しサービス|首都圏特化・荷物が少なければ電話で見積もり

🥇 首都圏・訪問なし見積もり可★★★★☆4.1

高齢の親御さんの引っ越しで使いやすいのは、荷物が少ない場合は訪問なしで電話見積もりができる点です。施設入居のように衣類と寝具が中心なら、家に業者を上げずに金額が分かります。ご家族が代わりに電話することもでき、親を一人で営業対応させずに済みます。首都圏に複数の事務所を置いて移動を最適化しているため、近距離の引っ越しを得意としています。ただし対応は東京・千葉・埼玉・神奈川が中心で、それ以外の地域では利用できません。

📌 公式サイトで確認した内容(2026年8月4日時点)
  • 実績100,000件突破(公式サイト記載)
  • 荷物の少ない引っ越しは訪問なしで見積もり可能(電話での見積もり対応)
  • 引越業者比較サイトで総合満足度平均4.5点以上(5点満点)をキープしていると公式サイトに記載
  • 首都圏に複数の事務所を配置し、移動を最適化してコストを抑える方式
  • 軽貨物業で培ったノウハウをもとにした作業体制
  • 「他社ではこの金額と言われたが、もっと安くならないか」という相談も受け付けている
✅ こんな方に向いています
  • 実家が東京・千葉・埼玉・神奈川にあり、近距離で住み替える方
  • 施設入居などで荷物が少なく、訪問見積もりを避けたい方
  • ご家族が代わりに見積もりを取りたい方(電話で完結できるため)
📌 依頼前に必ず確認したい注意点
  • 対応エリアは東京・千葉・埼玉・神奈川が中心です。それ以外の地域にお住まいの場合は対象外となります
  • 料金表は公式サイトに掲載されていません。荷物量と距離で見積もりを取る方式のため、金額は問い合わせて確認する必要があります
  • 本記事は「最安値」といった価格の優劣を主張するものではありません。必ず2〜3社の相見積もりで比較してください
  • 助成金を使う予定がある場合は、業者を決める前に自治体へ相談してください(契約後では対象外になることがあります)

実績100,000件突破/首都圏(東京・千葉・埼玉・神奈川)対応(2026年8月4日時点)

\ 荷物が少なければ電話だけで見積もり /

※対応エリア・サービス内容は変更される場合があります。最新情報はリンク先の公式サイトでご確認ください。

実家が首都圏以外なら|全国の店舗の料金をオンラインで見比べる

上で紹介した事業者は首都圏が中心で、料金も問い合わせて確認する方式です。実家が地方にある場合や、そもそも電話をかける前に金額の見当をつけたい場合は、全国の店舗が出店している予約サイト「くらしのマーケット」という選択肢があります。

この記事で繰り返しお伝えしてきた「訪問見積もりを避けたい」という課題に、もっとも直接的に答えるのがこの方式です。店舗が料金をサイト上に掲示しているため、問い合わせをする前に金額を並べて比べられます。2026年9月16日時点では、8,400円台から掲示している店舗が見られました。現住所・引越し先・荷物量・作業員数を選ぶと、条件に合う店舗が料金順に並びます。

📌 高齢の親の引っ越しで使いやすい点
  • 料金が先に分かる…何社も家に呼ばずに金額を比較できます。親御さんを一人で営業対応させずに済みます
  • 予約が確定するまで、店舗側に個人情報は公開されません。問い合わせの段階で連絡先が複数の業者に渡ることがありません
  • 担当者の顔写真・プロフィール・口コミを予約前に確認できます。当日誰が来るのかを親御さんに伝えられます
  • 作業でトラブルが起きた場合、最高1億円までの損害賠償補償があります
  • 不用品回収も同じサイトで頼めます。この記事でお伝えした「見積もりの前にまず荷物を減らす」を、同じ窓口で進められます

使う前に、次の2点は確認してください。

  • 掲示価格は基本料金です。荷物の量・作業員の人数・階段作業・距離によって金額は変わります。予約前のメッセージで、荷物の内容とエレベーターの有無を伝えて確認してください
  • 長距離の引っ越しは対応の可否を先に聞いてください。地域密着の店舗が多いため、県をまたぐ移動は別料金や対象外のことがあります

なお、助成金を使う予定がある場合の注意は、どの窓口から頼む場合も同じです。業者を決める前に、必ず自治体の窓口へ相談してください。契約後では対象外になることがあります。

\ 訪問なしで料金を比べられます /

※料金は店舗・荷物量・距離によって異なります。記載の金額は2026年9月16日時点で掲示されていた例です。最新の内容はリンク先でご確認ください。

高齢者の引っ越しで忘れがちな手続き

費用の準備と同じくらい大事なのが手続きです。高齢の方の引っ越しには、現役世代の引っ越しにはない項目がいくつもあります。とくに介護保険と医療は、手続きを忘れると必要なサービスが一時的に受けられなくなることがあるため、優先して確認してください。

介護保険の手続き(最優先)

要介護・要支援の認定を受けている方は、転出時に「受給資格証明書」を必ず受け取ってください。これを転入先の市区町村に14日以内に提出すると、認定を引き継げます。証明書がないと、新しい自治体で認定を一から取り直すことになり、その間サービスが使えなくなる場合があります。

また、施設に入居する場合は「住所地特例」という仕組みがあります。施設のある市区町村ではなく、入居前に住んでいた市区町村が保険者であり続ける制度です。手続きは施設側が案内してくれることが多いですが、保険料の負担先が変わる話なので、必ず確認しておいてください。

ケアマネジャーの引き継ぎも忘れずに。転居先の地域包括支援センターに早めに連絡し、新しい担当者を決めてもらいます。同じ市区町村内でも、エリアが変わると担当が変わることがあります。

医療・年金の手続き

  • 後期高齢者医療制度(75歳以上)/同じ都道府県内の転居なら住所変更のみ。都道府県をまたぐ場合は資格喪失と再取得が必要で、負担割合が変わることもあります
  • 国民健康保険/転出届と転入届の両方で手続きが必要です
  • 年金/マイナンバーが登録されていれば原則不要ですが、未登録の方は住所変更届が必要です
  • 各種医療費助成/自治体独自の高齢者医療費助成や、障害者医療証などは自治体をまたぐと引き継げません。転居先で新たに申請します

かかりつけ医と薬の引き継ぎ

意外に見落とされますが、高齢の方にとってこれが生活の質を大きく左右します。転居前に、かかりつけ医から診療情報提供書(紹介状)をもらっておいてください。持病の経過や処方の意図が新しい医師に伝わり、初診がスムーズになります。

あわせて次の3点を準備しておくと安心です。

  • お薬手帳/薬局が変わっても飲み合わせを確認してもらえます
  • 常用薬を多めに処方してもらう/新しい医療機関が決まるまでの空白期間を作らないため、可能な範囲で相談しておきます
  • 転居先の医療機関を先に調べておく/内科・整形外科・歯科など、通う可能性のある科を地図で確認しておきます。徒歩やバスで通える距離かどうかが重要です

引っ越し前後のスケジュール目安

  1. 2〜3か月前/自治体の助成金を相談。物件探しを開始(入居審査に時間がかかる前提で)
  2. 1〜2か月前/荷物の選別と処分を進める。片付けが終わってから引っ越し業者に見積もりを依頼
  3. 2〜4週間前/転出届、介護保険の受給資格証明書の受け取り、かかりつけ医から紹介状を受け取る
  4. 1週間前/電気・ガス・水道・電話・新聞の手続き。郵便物の転送届(日本郵便に提出)
  5. 引っ越し後14日以内/転入届、介護保険の認定引き継ぎ、健康保険の手続き。期限がある手続きなので最優先
  6. 1か月以内/新しいかかりつけ医の受診、地域包括支援センターへの挨拶、近所への挨拶

手続きは種類が多いので、ご家族がチェックリストを作って一緒に回るのが確実です。役所は平日しか開いていないため、まとめて1日で済ませられるよう順番を決めておくと負担が減ります。

引っ越し後の体調と気持ちのケア

費用の話が中心になりましたが、最後にひとつだけ。高齢の方にとって引っ越しは、体力面だけでなく環境が変わることそのものが負担になります。慣れた家、通い慣れた店、顔なじみの近所付き合いが一度に変わるためです。

  • 家具の配置をできるだけ元と同じにする。特に寝室とトイレの位置関係は、夜間の移動の安全に直結します
  • 使い慣れた物を捨てすぎない。片付けは必要ですが、思い出の品や毎日使っていた物まで一気に処分すると喪失感が強く残ります
  • 引っ越し後1〜2か月は、家族が意識的に連絡を取る。新しい環境で人と話す機会が減ると、閉じこもりがちになります
  • 地域とのつながりを早めに作る。自治会や地域の集まり、公民館の講座などを一緒に探してみてください

引っ越し後の交友関係づくりについては、60代の友達作り|新しい友人を作る方法・場所・コツを徹底解説もご参考ください。

よくある質問(FAQ)

引っ越しでもらえる助成金はありますか?

多くの自治体にあります。たとえば東京都北区は通常の転居で5万円・立ち退きの場合は上限15万円、千葉県浦安市は上限25万円、埼玉県川越市は引越し費用上限6万円といった制度を公表しています。ただし制度名も金額も自治体ごとに違い、転居先を決める前の申請が条件になっていることが多いです。引っ越しを考え始めた時点で、自治体の高齢福祉課・住宅課に電話して確認してください。相談は無料です。

引っ越しで10万円でどこまでできますか?

「荷物が少ない」「近距離」「時期を選べる」の3つが揃えば10万円で収まります。施設入居なら運搬1.5万〜8万円で、処分が少なければ十分足ります。近距離の単身なら運搬4万〜7万円+最小限の処分1万〜3万円で5万〜10万円です。一戸建てからの引っ越しは処分だけで8万円以上かかることがあり、10万円では足りません。また賃貸の初期費用(敷金・礼金・仲介手数料で家賃4〜5か月分)は引っ越し代とは別の出費です。

70歳で引っ越したいのですが、どうしたらいいですか?

まず家賃債務保証会社を使う前提で物件を探してください。連帯保証人を立てられなくても契約できる物件が多数あります。あわせて、子どもを緊急連絡先にする、住宅セーフティネット制度の登録住宅を探す、居住支援法人に相談する、見守りサービスの利用を伝える、といった準備が有効です。UR賃貸住宅は保証人不要・礼金なし・更新料なしで、高齢者向けの優遇制度もあります。通常より時間がかかる前提で、2〜3か月前から動き始めてください。

家賃が払えない高齢者はどうすればいいですか?

まず自治体の窓口か自立相談支援機関に相談してください。住居確保給付金は、収入減などで家賃の支払いが難しい方に家賃相当額を一定期間支給する国の制度です。あわせて、より家賃の安い住宅への住み替えを支援する自治体独自の家賃助成(目黒区は月額上限1.5〜2万円を最長6年、豊島区は月額上限1.5万円を最長7年など)もあります。滞納が始まる前に相談するほど、使える選択肢が多く残ります。

施設に入居するときの引っ越し費用はいくらですか?

荷物の運搬だけなら15,000〜80,000円が目安です。施設の居室は狭く、持ち込めるのは衣類・寝具・身の回り品が中心になるため、通常の引っ越しより荷物が大幅に少なくなります。むしろ費用がかかるのは、空き家になる実家の片付けのほうです。家一軒分の処分は数十万円になることもあります。施設入居が決まったら、運搬と実家の片付けを分けて考え、それぞれ見積もりを取ってください。

訪問見積もりを受けずに料金を知る方法はありますか?

あります。荷物が少ない場合は電話やオンラインで見積もりを出せる業者があります。施設入居のように衣類・寝具中心であれば、この方法で十分な精度が出ます。高齢の親が一人で在宅しているときに何社もの営業を家に上げるのは負担が大きく、その場で契約を迫られるリスクもあるため、訪問を避けられるのは実務上の利点です。ご家族が代わりに電話して見積もりを取ることもできます。

引っ越し費用を安くする一番効果的な方法は何ですか?

荷物を減らすことです。荷物量が減れば必要なトラックのサイズと作業人数が下がり、運賃そのものが安くなります。「業者に見積もりを取る前に、まず片付けを済ませる」という順番を守ってください。次に効果が大きいのは時期の調整で、3〜4月の繁忙期・土日祝・月末を避けるだけで金額が変わります。そのうえで2〜3社の相見積もりを取れば、相場から大きく外れることはありません。

まとめ|高齢者の引っ越しは「順番」で費用が変わります

最後に要点を整理します。

  • 費用相場は施設入居1.5万〜8万円/近距離単身4万〜7万円/近距離夫婦8万〜13万円/長距離5万〜35万円(通常期)
  • 不用品処分は1万〜8万円以上。運ぶ費用より捨てる費用が高くなることがあります
  • 10万円で収まるのは「荷物が少ない」「近距離」「時期を選べる」が揃ったとき
  • 助成金は自治体ごとに制度が違い、契約前の申請が条件。引っ越しを考えた時点で窓口へ
  • 高齢者の最大の壁は費用ではなく入居審査。家賃債務保証会社・緊急連絡先・セーフティネット住宅で越えられます
  • 見積もりは2〜3社。荷物が少なければ訪問なしでも取れます

場面別 次にやること

👑 まず相場を知りたい

🚚 首都圏・荷物が少ない引っ越し

🗑️ まず荷物を減らしたい

引っ越しは、順番を変えるだけで総額が数万円変わります。まずは自治体への電話と、荷物の選別から始めてみてください。

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※本記事の費用相場は引越し侍が公表している高齢者向けの料金目安、自治体の助成金制度はマイ介護ホームが2026年度版としてまとめた公表情報を参照した目安です。金額・要件は自治体や時期によって変わるため、必ずご自身の自治体の公式ページと窓口でご確認ください。事業者の情報は2026年8月4日時点で公式サイトに掲載されていた内容です。本記事は法的助言を目的とするものではありません。

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この記事を書いた人

シルバーチョイス編集部では、アクティブシニアの皆さんに「選んでよかった」という感動を届けるべくお役立ち情報をお届けしています。

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